「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

スカイドライブ「空飛ぶクルマ」米で26年就航目指す

次世代の輸送機「空飛ぶクルマ」および「物流ドローン」の開発を進めているスタートアップ、スカイドライブ(本社:愛知県豊田市)は1月25日、米サウスカロライナ州で空港と市街地の間を運航、2026年に就航を目指すと発表した。
アリゾナ州のメサで開催された2023年度のeVTOLシンポジウムで、この米国市場への参入計画と、サウスカロライナ州に本拠点を置いたことを明らかにした。
2026年に空飛ぶクルマ「SD-05」の運航開始を目指して、さらなる協業・提携のネットワークを構築していくとともに、サウスカロライナ州の政府機関や自治体と協力し、コロンビア・メトロポリタン空港とグリーンビル・ダウンタウン空港、2つの空港をを起点としたユースケースの構築に重点を置いて活動する計画。

ホンダ・JAXA 月面探査車の電力供給Sを研究開発

ホンダは1月19日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との間で、月面探査車向けの電力供給システムの研究開発契約を締結したと発表した。2024年3月末までに初期段階の試作機をつくり、米国主導の有人月面調査「アルテミス計画」で2020年代後半以降の投入を目指す。ホンダ独自の水を電気分解する技術と燃料電池を組み合わせたシステムを開発し、提供する。同システムにより、太陽エネルギーと水から月面探査車で人が生活するための電気をつくることができるという。

米FDA エーザイの早期アルツハイマー病薬を承認

米食品医薬品局(FDA)は1月6日、エーザイと米バイオジェンが共同開発を進めるアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、承認申請を認めると発表した。
レカネマブは臨床試験で、認知機能に障害が出始めた早期の、脳内のアミロイドβが繊維状になる前に投与することで、症状の悪化スピードを緩やかにする効果があることを証明した。したがって、レカネマブの効果を最大限に活かすにはアルツハイマー病の早期発見がカギで、その検査法や手法がの開発が課題となる。

住友電工,三菱UFJ銀など CO2吸収技術商用化で協業

住友電気工業(本社:大阪市中央区、以下、住友電工)、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、関西イノベーションセンターの4社は12月23日、住友電工が開発を進める新しいCCUS(CO2の回収・有効利用・貯留)技術(特許出願中)を活用したソリューションの提供で協業していくことで基本合意したと発表した。
この協業の一環として、CO2吸収装置の実演とCO2を原料に含むセラミックスの展示商談会を開催する。

CPとトヨタ タイでの脱炭素で協業検討 水素製造へ 

Charoen Pokphand Group(CP)とトヨタ自動車は12月14日、タイにおけるカーボンニュートラルの実現に向けた協力を検討していくと発表した。具体的には①バイオガスを活用した水素製造②水素を活用した配送トラックのFCEV化③コネクティッド技術を活用した最適配送ルート提案等による物流効率化の領域で社会実装を検討していく。

日本製紙 CNF配合天然ゴムのサンプル提供開始

日本製紙(本社:東京都千代田区)は12月5日、繊維幅がシングルナノサイズのTEMPO酸化セルロースナノファイバー(CNF)を、同じく木材成分由来の天然ゴム中に均一分散することで、タイヤ用途で弾性率と燃費性能を両立させたゴムマスターバッチ「Cellenpia Elas(TM)(セレンピアエラス)(TM)」の開発に成功し、サンプル提供を開始したと発表した。セレンピアエラスは直接、各種ゴムとドライ混練することができ、ハンドリングよくゴム製品の物性を向上させることができるという。
CNFは、木を構成する繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで生まれる最先端のバイオマス素材で、様々な分野・用途で用途開発が進められている。

積水化学,東京都 ペロブスカイト太陽電池の共同研究

積水化学は12月2日、東京都とフィルム型ペロブスカイト太陽電池の共同研究を開始すると発表した。2023年春から森ヶ崎水再生センター(所在地:東京都大田区)にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置して、発電量のモニタリング、腐食耐久性の確認などを行う。
シリコン系太陽電池が重量などによる設置場所の制限が課題となっている中、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金を活用し、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上に向けた開発を進め、2025年の事業化を目指す。

英ロールス・ロイス 航空機向け水素エンジン試験に成功

英ロールス・ロイスは11月28日、水素で航空機エンジンを稼働させる試験に世界で初めて成功したと発表した。風力と潮力発電でつくられたグリーン水素を燃料としており、同社は「水素が将来のゼロ・カーボンの航空燃料になり得ることを示すための第一歩」としている。
試験は、英格安航空会社(LCC)大手、イージージェットと共同で英国防省の施設内で行われた。ロールス製AE2100−Aを改造したエンジンを、水素で動かした。

厚労省 塩野義のコロナ飲み薬「ゾコーバ」緊急承認

厚生労働省は11月22日、塩野義製薬(本社:大阪市中央区)が開発を進めていた新型コロナウイルスの日本初の国産軽症・中等症患者向け飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認した。
7月に行われた厚労省の専門部会では承認が見送られ、継続審議となっていた。これを受け塩野義製薬は9月、新型コロナウイルス患者約1,800人を対象に実施した最終段階の臨床試験の結果を提出。今回は咳、発熱などの症状改善効果や抗ウイルス効果の療法で有効性があると判断、正式承認された。国産創製薬に緊急承認制度が適用される初めてのケースとなった。
ゾコーバについて、加藤厚生労働相は「軽症から中等症の患者を対象とする、新たな治療法の選択肢の一つとして期待している」としている。塩野義製薬との間ですでに100万人分の購入契約を締結しており、「12月初頭には医療現場で使用できるよう供給を開始する予定」という。

ヤマハ発,日本製紙 CNF樹脂で水上バイク部品共同開発

ヤマハ発動機(本社:静岡県磐田市)は11月16日、植物由来の次世代素材「セルロースナノファイバー(CNF)」強化樹脂をマリン市場製品へ採用、同素材の開発に関し、日本製紙(本社:東京都千代田区)と協業することで合意したと発表した。同素材の輸送機器部品への実用化は世界初の事例となる。
開発するのは水上オートバイおよびスポーツボートのエンジン部品で2024年モデルの一部で採用する計画。将来的にはマリン製品のみならず、二輪車などを含めたヤマハ発動機の幅広い製品群への展開を検討している。