「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

大阪ガス,ENEOS 国内初グリーン水素活用の国産e-メタン製造を検討

大阪ガスとENEOSは8月29日、大阪港湾部におけるグリーン水素を活用した国内初となる国産e-メタンの大規模製造に関する共同検討を開始したと発表した。
これは海外で製造したグリーン水素を、効率的な水素の貯蔵・輸送手段の一種、メチルシクロヘキサン(MCH)に変換して輸送し、国内で回収した二酸化炭素(CO2)と組み合わせて、国産e-メタンを大規模に製造するもの。2030年までに大阪港湾部で6,000㎥/年(一般過程約25万戸相当)規模で製造設備構築および製造開始を目指す。

三菱重工, 日本触媒 アンモニア分解システムで共同開発契約

三菱重工業(本社:東京都千代田区)の日本触媒(本社:大阪市中央区)は8月21日、水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解システムの共同開発契約を締結したと発表した。
アンモニア分解技術はアンモニアから水素を取り出すために不可欠であり、サプライチェーン構築の実現において重要な役割を担う。

厚労省 アルツハイマー病新薬「レカネマブ」承認 初の治療薬

日本の製薬大手エーザイと米国バイオジェンが共同開発した早期アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、厚生労働省の専門部会は8月21日、国内での製造販売承認を了承した。今後、厚労相が正式承認する。正式承認されれば、脳内にたまる認知症の原因物質「アミロイドβ(Aβ)」を除去し、進行を抑える初めての治療薬となる。
ただ、この認知症薬も万能ではない。対象は軽度認知症と、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の人。壊れた神経物質の再生は難しいため、症状が進んだ人は対象となっていない。

凸版印刷 水素エネルギー市場へ独自方式で電極部材の生産参入

凸版印刷(本社:東京都文京区)は8月17日、水素エネルギー市場への参入に向けて、世界初となる独自の製造方式による、触媒層付き電解質膜(CCM)/膜電極接合体(MEA)の生産設備を高知工場(所在地:高知県南国市)へ導入したと発表した。これにより、高性能、高品質なCCM/MEAの量産が可能となり、8月より販売開始する。
CCM/MEAは、水素を製造する水電解装置、水素の貯蔵や運搬に関する電解槽、そして水素を利用する燃料電池において中核となる重要な部材で、水素社会の実現には不可欠なエネルギー変換デバイス。同社は今後、同事業の成長とともにCCM/MEA設備の増強を図り、2028年に同事業で年間売上高100億円を目指す。

エア・ウォーター 天然ガス活用CO2フリー水素案件がNEDOに採択

エア・ウォーター(本社:大阪市中央区)と戸田工業(本社:広島市)は8月8日、北海道豊富町で両社が進める、未利用天然ガス活用の地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築事業案件が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の水素社会構築技術開発事業に採択されたと発表した。同日、同事業に向けた取り組みを開始した。今回両社が進める「メタン直接改質(DMR)法」により、CO2が発生しない水素を商用規模で生産するのは国内初の取り組み。

脱炭素へコマツ, 日立, デンヨーが水素混焼発電機 最大50%混焼可能

脱炭素へコマツ、日立製作所、デンヨーの3社は8月8日、開発を進めていた250KW水素混焼発電機の製品化に成功したと発表した。同発電機は、燃料に水素を最大50%混合した発電が可能で、軽油のみを燃料とした場合に比べ、発電時の二酸化炭素(CO2)排出量を最大50%削減できるという。コマツは同発電機の初号機を小山工場に導入し、2023年9月中の本格稼働を目指している。

日本製鉄 高炉水素還元技術の試験炉でCO2排出量22%削減を確認

日本製鉄は8月4日、東日本製鉄所君津地区の水素還元試験炉(内容積12㎥)で、世界最高水準となる高炉本体からのCO2排出量を22%削減する効果を確認したと発表した。さらに2023年内をめどに、30%以上のCO2削減を目指した試験を予定している。これらの実証試験を重ね、大型高炉でのSuper COUSE50技術(CO2排出量50%以上削減)確立の早期化に取り組んでいく。

第一三共 初の国産コロナワクチン承認取得 供給はせず

第一三共(本社:東京都中央区)は8月2日、同社が開発した新型コロナウイルスワクチン「ダイチロナ」の国内での製造販売承認を取得したと発表した。国内企業が開発した初の国産ワクチンとなる。これはメッセンジャーRNA(mRNA)タイプで、従来型ウイルスに対応した1価ワクチン。同タイプの米ファイザーや米モデルナのワクチンが冷凍が必要なのとは異なり、2〜8度の冷蔵で流通・保管できるという。ただ、様々な変異型が横行している中、同クチンは出荷せず、同社も変異型ワクチンの開発を進める。

アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」厚労省8/21に承認判断

厚生労働省が、日本のエーザイと米国のバイオジェンが共同で開発を勧めてきたアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」について、8月21日に開く専門部会で承認するかどうかを判断することが分かった。承認されれば、国内初の薬となる。
レカネマブは最終段階の治験で、この薬を投与された患者は偽の薬を投与された患者と比べて、1年後の認知機能の低下がおよそ27%抑えられ、症状の進行を緩やかにする効果が確認されている。米国では7月上旬、日本に先駆けて治療薬として正式承認されている。

アステラス製薬 胃がん治療薬を中国で承認申請 当局が受理

アステラス製薬は8月1日、開発中の胃がん治療薬「ゾルべツキシマブ」について、中国国家薬品監督管理局(NMPA)の医薬品評価センターが承認申請を受理したと発表した。海外では米国や欧州でも申請しており、日本では6月に厚生労働省に製造販売承認を申請している。
同社はゾルベツキシマブを重点戦略製品と位置付け、世界でのピーク時の売上高を最大年2,000億円と見込んでいる。ゾルベツキシマブは胃腺がん、食道胃接合部腺がんの治療薬として開発されたもの。
胃がんは世界中で5番目に多く診断されるがん。同社によると世界で新たに診断される胃がん患者数のほぼ半数を中国人患者が占め、2020年には47万8,000人以上が胃がんと診断されているという。