「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

サントリー 東京ガスと水素でウイスキー原酒造りに成功

サントリーは4月11日、東京ガスと共同で燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を燃料に使いウイスキーの原酒造りに世界で初めて成功したと発表した。山崎蒸溜所(所在地:大阪府島本町)の研究開発用の小型蒸留釜で実験した。通常の都市ガスを使った場合と同じ品質の原酒を製造できたとしている。
今後は白州蒸溜所(所在地:山梨県北杜市)で、実際の製造に使う10〜15キロリットル規模の蒸留釜での実施ぃう実験を目指す。

川崎汽船, 伊藤忠など6社でアンモニア商用船を共同開発

川崎汽船は4月11日、伊藤忠商事などと6社でアンモニアを燃料とする商用船を共同開発すると発表した。10日付けで6社間の覚書を結んだ。脱炭素に向け、次世代燃料として注目が集まるアンモニア船の実用化で、各社の強みを持ち寄り早期開発を目指す。2028年度までにアンモニア燃料の実用化を目指すNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援事業の一環。
参画するのは既述の2社のほか、三井E&S、日本製鉄系のNSユナイテッド海運、日本シップヤード、独フォルクスワーゲン傘下の船舶用エンジンメーカー、MANエナジー・ソリューションズの6社。

ラピダス 米シリコンバレーに新会社 AI半導体の製造受託

最先端半導体の量産を目指すラピダスは4月11日、小池淳義社長や技術開発で協業する米IBMの研究部門の半導体責任者らが出席し、米シリコンバレーで新会社を設立したと発表した。新会社の社長には米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やIBMでマーケティングを担ったアンリ・リシャール氏が就任した。ラピダスは新興企業と一緒に開発に注力、少量の受注からでもAI半導体製造の受け皿を担う。
シリコンバレーの一帯、カリフォルニア州サンタクララは米エヌビディアや米インテルが本社を置く半導体企業のお膝元。この地域はソフトからハードまで幅広いAI企業が拠点を置いている。

タイ モーターショー2024 受注25%増の5.3万台, EV33%

バンコク郊外のコンベンションセンター、インパクト・ムアントンタニで3月27日〜4月7日開催されたタイ最大規模のモーターショー「第45回バンコク・インターナショナル・モーターショー2024」の会場での自動車の受注台数は前年比25%増の5万3,438台だった。このうち電気自動車(EV)が1万7,517台と全体の33%を占めた。このほか、バイクの受注台数は同67%増の5,173台となった。
自動車のブランド別受注台数は、1位が「トヨタ」の8,540台、2位が中国の比亜迪「BYD」の5,345台、3位が「ホンダ」の4,607台、4位が中国の上海汽車「MG」3,518台、5位が「三菱自動車」3,409台、6位が中国の長安汽車「チャンヤン」3,073台、7位が中国の広州汽車「アイオン」3,018台、8位が中国の長城汽車「GWN」2,815台、9位が「いすゞ」2,734台、10位が「日産」2,488台。

三井不 核融合新興に出資 脱炭素電源に開発段階から出資

三井不動産(本社:東京都中央区)は4月11日、京都大学発の核融合スタートアップ企業の京都フュージョニアリング(本社:東京都千代田区)に出資したと発表した。コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じて出資した。投資額は明らかにしていないが、京都フュージョニアリングは同日、三井不動産系のCVCを含む3社から総額15億6,000万円を調達したことを明らかにしている。
三井不動産は再生可能エネルギーへの投資に取り組んでおり、核融合が実用化すれば、脱炭素電源を安定的に調達できるようになる可能性があり、開発段階から参画する。

クボタ 北海道・十勝で大規模畑作農業スマート化の実証

クボタ(本社:大阪市浪速区)は4月10日、北海道十勝地方で大規模畑作農業スマート化の実証実験を実施していることを発表した。期間は2023年6月から2025年3月までおよそ2年間。場所は十勝地方(帯広市、更別村)。
地域の農業生産者や十勝管内の農協、十勝農業協同組合連合会をはじめとする社外パートナーと連携。同社と十勝農協連の営農システム間のデータ連携と、その活用によるユーザーの利便性向上等を検証する。

レゾナック 川崎市と海洋プラごみリサイクルの実証開始

レゾナック(本社:東京都港区)は4月9日、川崎市とともに川崎港の海面清掃で回収した海洋プラスチックごみを、水素・アンモニアなどの化学品原料や炭酸ガスにリサイクルする実証実験を開始すると発表した。同社の川崎事業所(所在地:神奈川県川崎市)のプラスチックケミカルリサイクル事業として実施する。現在、海洋プラスチックごみの多くは、リサイクルされずに焼却されているのが現状。今回の取り組みは「プラスチック循環」への一歩として問題解決を目指すもの。実証実験期間は2024年4月〜2025年3月まで。

東急建設”生物多様性のための30by30アライアンス”に参画

東急建設(本社:東京都渋谷区)は4月9日、環境省が推進する「生物多様性のための30by30(サーティ・バイ・サーティ)アライアンス」に参画すると発表した。生物多様性のための30by30アライアンスは、2030年までに国土の陸と海の少なくとも30%を保全するという「30by30」の目標に向け、企業、自治体、NPOなどの有志連合として発足された。国立公園の拡充や里地里山、企業林など、様々な主体によって守られてきたエリアをOECM(Other Effective area-based Conservation Measures)として国際データベースに登録することを促進し、その取り組みを積極的に発信することを目的としている。

23年度の飲食業倒産 前年度比57%増の930件 最多更新

東京商工リサーチによると、2023年度(2023年4月〜2024年3月)の飲食業の倒産(負債額1,000万円以上)は前年度比57.0%増の930件と急増し、4年ぶりに前年度を上回った。年度では初めて900件を超え、過去最多を更新した。
また、”ゼロゼロ融資”の返済難による新型コロナウイルス関連倒産は、前年度比37.4%増の529件に上り、飲食業倒産の56.8%を占めた。

IHI原動機 アンモニア燃料舶用エンジンを完成 世界初

IHI原動機(本社:東京都千代田区)は4月8日、内航船(アンモニア燃料タグボート、以下「A-Tug」)の主機関向けに開発、陸上試験を進めていた4ストロークアンモニア燃料エンジンの実機を完成したと発表した。
これを受け、日本海事協会(本部:東京都千代田区)が世界で初めてとなるアンモニア燃料舶用エンジンの船級型式承認を発行した。これはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業に採択された「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」の一環。