日本政府は6月11日、中国が日本製ステンレス製品に反ダンピング(不当廉売)関税を課しているのは、国際協定に違反する可能性があるとして、世界貿易機関(WTO)に提訴した。WTOの紛争解決手続きに基づく2国間協議を中国に要請した。
中国は、日本や欧州連合(EU)などからステンレス製品の輸入が急増し、中国国内の産業に損害を与えたとして、2019年7月から課税を開始した。スラブ、熱延鋼板、熱延コイルが対象で、日本製には18.1%か29.0%の関税を課している。
日本政府は、主力輸出品は高価品が多く中国製品と競合しないと強調。日本からの輸出と中国の損害との因果関係について確認が不十分などとして争う予定。日本製は推計で年間約56億円の売り上げの減少があり、関税額は約11億円に上るという。
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